花彩便りVol.10 昔も今も、子どもの遊び心は変らず・・・

 先人たちが切り開いた中富良野、その苦労は想像するに余りあるものがあります。しかし、そうした苦労の中でも楽しみと安らぎを生活に見いだそうとしたたくましさは、これまでもこのコラムで紹介したとおりです。そして、子どもたちはもともと遊びの天才、昔も今も子どもたちの遊び心は変りません。古老の語る子ども時代の回想をご紹介します。

◆下駄スケート
 わたしらの子ども時代といったら大正の始めで、冬の遊びといったら下駄スケート専門ですよ。そう、下駄にスケートの刃をつけただけのもの。もう、滑って滑って、足袋なんかべとべとですよ。今では考えられんけど、足袋がいくら濡れても全然凍傷にかかったことなんかありません。遊びなれているというか、丈夫だったのかね・・・。

◆馬そりとスキー
 昼間遊ぶだけでは物足りなくて、もう夜まで外に出て遊んだもんだ。昔の馬そりね、先の曲がった馬そりで、友だち5・6人で引っ張り出してね。中富良野駅の坂まで引いていって、その坂を滑ってずっと産業組合の角を曲がって、それから2町も向うへ滑っていくんだ。足でかじを取りながらね。
 スキーは学校の先生方がはいていて、山へ連れていって教えてくれた。その時のストックといったら今みたいなものじゃなく、長い棒だからね。先生方と山へ行くとね、わしらは今みたいな長靴でなく、わらの深靴みたいなものをはいていたから、ズボズボってぬかるのさ。それが面白くてお互いに追いますのさ、先生に怒られてね。
 その頃の学校だもの、すき間だらけで、そこから教室にも廊下にも雪が吹き込んでくるのさ。いいかげん積もったらその雪の上を滑って歩くんだ。いや~、勉強した覚えはないけれど、いくら遊んでも疲れた記憶なんてなかったさ。まあ、子どもはみんなそうだけど・・・。
※源 啓吉さん(明治40年生まれ)の回想 「懐古なかふらの」(昭和59年刊行)より

 今や子どもの遊びは室内でプレステ、冬は装いを凝らしたスノーボード、きれいで行儀良くなってはいますが、当時の子どもたちも、たくましく素朴で今以上に子どもらしく思えます。
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